はじめての方へ健全な経営のために

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健全経営に必要な最低限の要素

中小企業には、ワンマン経営者が多く、特に創業者の場合には自分自身がすべてを仕切り、指示してきた者が多いため、経営に必要な最低限の要素を備えていない場合が多くみられます。

経営に真に必要な要素は挙げればきりがありませんが、あえて最低限必要な要素を上げるとするならば、「経営計画」「経営会議」「月次による数値の早期確定」「社員教育」「業務分担表」の5つではないかと思います。

詳細を書き始めるときりがありませんので、私が考えているそれぞれのポイントを述べてみたいと思います。前向きな経営者の方で、是非取り入れてみたいという方は、気軽にお問い合わせください。たった、これだけの要素を実施するだけで、経営がみちがえるほど変わってきますよ。

1経営計画

経営計画は、単なるフォーマットへの数値のあてはめではありません。よく見かけるのが「経営計画=利益計画」と勘違いしている人です。

数値については、理想はどうにでも作成できます。しかし、現状を認識して、今後いかに経営していくのかということになると、数値のみではなく、経営に関する様々な要素を考慮して計画に落とし込んでいく必要があります。

まず「経営理念」を定めて、そこから「経営目標」「事業戦略」「マーケティング」「利益計画」「組織」等を関連付けて導いていきます。

その時に大事なのは、時間をかけて一つ一つ考え抜き作り上げていくことです。

決して、フォーマットに沿って無理に中身を埋めていき、形式だけの経営計画を作成するのだけはやめておきましょう。作って終わりとなり、まず、実行はしないと思います。

2経営会議

経営会議を定期的に実施していますか?

単なる「打合せ」レベルの会議ではなく、正しい「経営会議」です。

「打合せ」は単なる作業レベルの確認であり、「経営会議」は一定の目的をもって意見等を収集決定していくことです。

「会議などしても意味がない」「どうせ意見などでない」等々、やらないことの言い訳はいくらでもありますが、意思決定するにしても、情報収集するにしても、経営者一人の能力・情報のみでは限度があります。

適正な経営会議の実施により、皆が納得して経営に参加することは、会社の成長にとっては必要不可欠です。

興味のある方は、当ホームページの「経営会議コンサルティングについて」をご参照ください。

3月次による数値の早期確定

経営の結果は数値がすべてを語ります。会計の自計化により、経営者自身が数値を把握し、必要な情報を随時入手し、その情報により経営にフィードバックしていきます。

会社の経理を外部に委託して数値を把握することも否定はしません。しかし、外部に経理を委託するのと経理を自計化するのとでは、経営者が要求するデータに関する情報の収集力がまったく異なってきます。経理等の業務を外部に委託している方は、いま一度考え直してみてはいかがでしょうか?

4社員教育

あなたの会社は、社員教育にどのくらいのお金を投資していますか?

私の知る限り、社員教育に十分な教育資金を投資している会社は、あまりありません。交際費で二次会・三次会と無駄な経費を使っている人、事業に関係ない支出を経費として計上等している人等に限り、社員教育に2万・3万支出するのを嫌がる人がほとんどです。

必要な交際費は仕方ないですが、その支出が本当に会社の為になっているのでしょうか?女性のいる店に行って、お酒を飲み、はしゃぐのも、たまには気分転換になっていいかもしれませんが、それが、会社にとってどれだけ利益となるか考えてみましょう。

ほとんどの経営者は、「社員にお金をかけても辞めてしまったら無駄」「やる気がないので、お金をかけても無駄」などなど、言い訳には枚挙にいとまがありません。会社は、経営者のみでは成り立ちません。社員一人一人の力が集まって会社が成り立っているということをよく考えてみましょう。

5業務分担表

会社を見ていて、いつも思うのは、業務の分担がアバウトすぎて、社員が自分自身のすべき業務をよくわかっていない人が多いという現実です。

それなのに、経営者は「社員が指示した業務以外はしない」「仕事は考えてするものだ」などなど、やっていない業務等があると、すべて社員のせいにしてしまいます。確かに、業務は本来、自分自身で考えて、指示した業務以外でもすることが理想でありますし、私もそう思っております。しかし、世の中の考え方が変化してきており、理想ばかりは言っていられません。

これは、社員のせいにばかりするのではなく、業務分担を明確化していない経営者にも責任があります。

業務については、分かりうる範囲で業務の項目を掲げ、それぞれについて担当者を割り当てることにより、自分自身の業務への自覚と責任意識を持たせるようにしましょう。

上記の経営に必要な最低限の要素を試行錯誤しながら実施していき、フィードバックしていく仕組みを作り続けることが長期的な経営にとって必要不可欠なこととなります。